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アニマルウェルフェアとは

アニマルウェルフェアは「動物福祉」などと訳され、家畜は、「なるべくストレスを与えずに育て、と畜すべきである」という考え方です。基本原則は、1965年に英国のブランベル委員会が提言した下記の「5つの自由」が基になっています。

 飢え、渇き、栄養不良からの自由
 恐怖と絶望からの自由
 肉体的なそして温度上の不快感からの自由
 痛み、傷害、病気からの自由
 正常な行動を発現する自由

卵を産む鶏は、生まれてから卵を産んでいる間の環境、卵を産み終えてから食肉用に処理されるまでの環境が、鶏にとってストレスなく幸せに過ごせているかどうかということになります。

日本は世界に比べて著しく「アニマルウェルフェア」の推進が遅れており、現在、日本の鶏卵飼育においては、92%以上の養鶏場で、バタリーケージによる飼育が行われています。

ケージ飼育とは

採卵鶏は、通常ケージ(金網でできたとりかご)の中で飼育します。アニマルウェルフェアの観点なら、本来であれば、昔どこの家にも鶏がいて自由に飼われていたようにストレスなく育てるのが最も適した育て方です。

広い庭で自由に生活して卵を産んでいた鶏をケージで飼うこと自体がそもそも問題なのですが、それでは卵が安定供給されなくなってしまいます。そのため、経済性を最優先にケージ飼いが行われ、このことは一般的に知られていませんでした。

しかし、ネット環境の普及により、実体が一般にわかりはじめ、日本においても、自然の中育った​鶏の卵を食べたいという人が増えてきました。

 
EU(欧州連合)では、2012年に、採卵種の鶏を従来のケージで飼うことが全面禁止されました。

また、欧米は市民の「動物を苦しめるものを食べたくない、アニマルウェルフェアに配慮されていないものは不健康であり安全性が低い」との声によってアニマルウェルフェアに配慮されたものに市場が切り替わってきています。

 

​アニマルライツセンターのホームページより抜粋しました。

アニマルウェルフェア(動物福祉)―日本の状況

2016/11/16

日本の畜産動物福祉への取組状況

日本には現在、畜産動物の飼育方法について、実行力のある法規制はありません。

諸外国が禁止しているバタリーケージや、妊娠豚ストールも、日本では一般的に使用されているという状況です。

 

しかし、海外に後れをとってはいますが、日本においても少しずつ畜産動物福祉への取り組みは進められています。
 

 

国レベルでの取り組み

2011年には、畜種ごとの「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」が公表されています。

しかし残念ながら、年月をかけて策定されたこの指針は、業界紙などに掲載はされましたが、2014年まで各自治体への周知が行われていませんでした。そのため畜産農家と直接つながりがあるにもかかわらず「アニマルウェルフェア」という言葉すら知らない行政の担当者もおり、各自治体の担当部署にこの指針を周知していただくよう農水省に求めていたところ、2014年にようやく、農林水産省のサイトに「アニマルウェルフェアについて」というページが追加されたのを機に、各自治体への「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」の通達がなされました。
*ただし、アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針は、拘束力のあるものではありません。

 

農林水産省のサイト「アニマルウェルフェアについて」

http://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/animal_welfare.html

 

 

また、2014年6月には「アニマルウェルフェアの向上を目指して」というパンフレットが作成されています。

このパンフレットには、動物の正常行動を促すための方法などが掲載されています。

豚なら豚房に鎖やボールを設置してあげる、採卵用鶏なら従来型のバタリーケージに止まり木と巣箱兼砂浴び場を設置する方法などが、写真入りで掲載されており、「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」よりも、わかりやすくとっつきやすいものになっています。

http://jlta.lin.gr.jp/report/animalwelfare/

​バタリーケージとは

バタリーケージとは、採卵鶏を集中的に大量に飼育するためにここ30年の間に広まった何段にもケージを積み上げた飼育方法です。鶏は身動きが取れず仲間に踏み潰されたりもします。
動物の健康・食の安全のためにも、動物の福祉は必要であることが、OIEなどでも認められ国際的に推進されており、EUでは禁止され、欧米でも次々と規制が行われています。
日本でも、動物のために、そして消費者のためにも、バタリーケージ廃止を実現しなくてはなりません。

右のPDFファイルに、バタリーケージについて、日本の写真とともに、わかりやすく説明していますので、興味のある方は御覧ください。

​また、以下の「アニマルライツセンター」のホームページにはさらに詳しく載っています。

http://www.hopeforanimals.org/animals/tamago/

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